2005年の援助効果にかかるパリ宣言が合意を受け、世界の市民社会組織(CSO)は援助効果に関する様々な国際会議を開催し、各国政府のパリ宣言の実施状況について政府機関と対話をしたり、CSOの開発効果に関する議論を深めてきました。パリ宣言援助効果に関する市民社会組織(CSO)の役割は、(1)援助国、被援助国の援助の政策や実践を監視し、議論の質を高めること、(2)CSO自身の開発の効果を再考、検証すること、の二つがあります。これらの目的に沿って、2007年から世界各地で援助効果に関する対話が展開されてきました*。また、CSO開発効果オープンフォーラムでは、CSOの開発効果の概念や枠組みづくりに向けて、全世界のCSOが一丸となって取り組んでいます。
2008年の第3回アクラ閣僚級会議の結果を踏まえ、JANICでは2009年~2011年の3年間で、以下の活動に取り組みました。
現在は、2010年に合意されたオープンフォーラム議論の成果物「CSOの開発効果にかかるイスタンブール原則」の実践を通して、日本のNGOによる国際協力活動の質を高めるために、教材の作成や研修の開催に取り組んでいます。
これまでに作成した教材は以下からダウンロードいただけます。
『効果的な活動を行うためにわたしたちが守るべき8つのこと~CSO開発効果にかかるイスタンブール原則を知るための手引き』(2012年度発行) (PDF:645KB)
『別冊 効果的な活動を行うためにわたしたちが守るべき8つのこと~CSO開発効果にかかるイスタンブール原則を知るための手引き~』(2013年度発行) (PDF:4.3MB)
2011年11月29日~12月1日に、釜山(韓国)にて援助効果向上第4回閣僚級会合(釜山HLF)が開催され、成果文書として「効果的な開発協力のための釜山パートナーシップ」が採択されました。釜山HLFでは、CSOの代表(BetterAid)も、シェルパ(世界のCSO代表・代理人)として参加し、各国政府、援助機関と成果文書策定の交渉をしました。JANICはBetterAidのメンバーとして、国内外のCSOと連携しながら提言活動を行いました。主な提言書は以下の通りです。
◆「OECD/DAC対日援助審査」(ピアレビュー)」に関する提言活動
OECD/DACによる対日援助審査の一環として、2009年10月にOECD/DACによる日本のNGOのインタビューが行われました。JANICを含む日本の国際協力NGOは、日本のODAに関する提言書をまとめ、NGOの意見として審査団に提出しました。会議の記録はこちらからダウンロード可能です。
OECD/DAC対日援助審査の結果は、2010年6月に発表されました。この結果を受け、JANICは提言書をまとめ、日本政府が積極的にODA改革を実施するよう働きかけを行っています。
◆セミナー「開発効果の潮流と市民社会の動向」に協力
2009年5月14日(木)に、JANICはODA改革ネットワークとともに、CSOネットワークが主催するセミナー「開発効果の潮流と市民社会の動向」に協力しました。
セミナーの報告書はこちらからダウンロード可能です。
2008年9月2日~4日にアフリカのガーナ(アクラ)において、援助効果に関するアクラ閣僚級会議が開催され、「アクラ行動計画(以下、AAA)」が採択されました。会議に参加したJANICを含む日本の5つのCSOは、緊急声明「日本政府はODA改革のスピードを上げなければなりません(PDF:367KB)」を発表しました。
またアクラHLFに向けて世界のCSOは、パリ宣言に見られる援助効果議論についての市民社会側の考え方をポジションペーパー「パリからアクラへ:援助はより説明責任をもち、効果的になれるのか?
援助効果アジェンダに対する批判的アプローチ(PDF:172KB)」としてまとめ、JANICはそのポジションペーパーに署名団体として参加しました。
JANICを含む日本のCSOは、2008年のアクラ閣僚級会議に向けて、外務省及びJICA、 JBICの関係者と、3回にわたって意見交換会を実施してきました。
*2007年10月にブリュッセルで行われた「援助効果北側CSOワークショップ」、2007年11月にナイロビで開催された「パリ宣言・援助効果に関する南北CSO対話」、2008年2月にオタワで開催された「国際フォーラム:援助効果におけるマルチ・ステークホルダー対話」、2008年4月、7月にパリのOECD開発援助委員会で開催された「アクラ行動計画(AAA)に関するCSOとの対話」、2008年7月にパリで開催された「CSO援助効果策定活動計画会議」など。 JANICもこれらの会議に参加し、世界のCSOや政府、国際機関と対話を通し、日本の立場からの視点や経験を他の参加者とともに共有してきた。